サッと携帯をポケットに閉まった。 そのせいでメッセージの内容が一瞬しか見えなかった。 “今どこにいる” 返信しなきゃ……。 なぜなら、わたしはそのメッセージの送り主と、今日の環境整備が終わったあとに約束をしていたから。 場所は、あのマンションのエントランスで。 「う、うん。杏奈から教えてもらって……」 「そうなんだ。それより、もっとこっち来なよ?肩、濡れるから」 わたしの返しに、どこか見透かしたようにクスッと小さく笑うとさりげなく腰を引き寄せる。