「オレ、わがままだから」


なんて、微塵も思ってないクセにそう発して。


絡まったままの手の甲を自分の頬へと運んだ。


たったそれだけの仕草さえ見惚れてしまうほどに釘付けになる。



だけど。

不意に胸の内に秘めていた疑問が沸き上がる。



「わたしは……七瀬先輩にとって、どういった存在、なんでしょうか……?」


「は?」