「そろそろ、お前に触れたいんだけど?」



ーーードキッ


待ちきれないとばかりにそんな甘い台詞を零す。



「……っ、何を言ってるんですか?」



もう、これ以上ドキドキしたら大変で。


当たり前になった反論を口にしても七瀬先輩は一歩も譲ってはくれなそうで……。



「最初に言ってあったろ?拒否権なんて与えるつもりはねぇんだよ」


「なっ……」



抵抗する余力も構える余裕もわたしはない。


その理由は、七瀬先輩の骨ばった指がわたしの指の間に絡んでくるから。


ギュッ、と優しく、でも離してはくれなそうにそっと握って。