「ハァ……、あたしってばすごい勘違い。一人で怒って、逃げてきちゃった……津田先輩に謝らなきゃね……」



泣き腫らした顔がやっと笑顔になった。



「七瀬先輩……ありがとうございました」



立ち上がった杏奈は大袈裟なほど頭を下げて部屋を出て行く。



「八重もありがとう!じゃ、行こう常磐君?」


「えっ?お、オレも?」


「そうだよ?当たり前でしょう?ほら、二人の邪魔しないの!」


「邪魔って……」



杏奈ってば変な気を遣わなくていいのに……。