「実は、津田先輩を怒らせてしまって……」 何度も涙を拭いながら杏奈がやっとの思いでポツポツと胸の内を語りだした。 「待ち合わせ場所に着いたら、あたしを見るなり怖い顔して……」 「え……?」 確かに津田先輩は切れ長な目が凛々しいけれど、バスケ部でも目付きが悪くてパスが出せないなんて評判だ。 「理由を聞いたら……最初は言いたくないって……うぅっ……」 「そんな……っ、理由も教えてくずに帰っちゃったの?」 「っ、ううん。あたしに……“なんだよ、その格好は”って言ったの……」