☆☆☆

あたしは晩ご飯も食べず、お風呂にだけ入ってすぐにベッド入った。


なにもしたくない。


なにも考えたくない。


一階のリビングから両親の話し声が聞えて来る。


『今日、鈴はどうしたんだ?』


『それが、なにも話してくれないのよ』


『そうなのか? 大丈夫なのか?』


『わからないけど、鈴も色々あるだろうから、そっとしておこうと思うの』


心配そうなお父さんの声に、困ったようなお母さんの声。


共働きで家に帰ってもまだやる事が山積みなのに、両親はちゃんとあたしの事を見てくれている。


だけど今はそれがうっとおしく感じられて、あたしは布団を頭まで被ってキツク目をとじたのだった。