自分の秘密を握られているかもしれないと知ったショウは、あたしたちと一緒に市立図書館へ来ていた。


図書館の中に人はまばらだが、学校が終わった学生たちがこれから増えて来るだろう。


そうなるまでに話を終わらせておきたかった。


あたしたち4人は一番奥のテーブルを選んで座った。


一応手には参考書を持っている。


「で、話ってなに?」


ショウは不機嫌さを丸出しで聞いて来た。


「時間がないんだ。手っ取り早く頼むよ」


そう言われると、聡樹が口を開いた。


「じゃぁ言わせてもらうけど、お前は誰だ?」


聡樹の質問にあたしと紗英は氷ついた。


いくらなんでも直球過ぎる。


しかしショウは表情を変えることなく「なに言ってんだよ?」と、聞き返した。


「お前駿じゃないだろ。もうわかってんだぞ」


「言っていることの意味がわからない。俺が駿じゃなければ誰だって言うんだよ?」


ショウは笑いながらそう言った。