「聞いて! あたしね、駿と付き合うことになったの!」


嬉しそうに桜子がそう言った瞬間、あたしの世界から音が消えて行った。


桜子の言葉が耳に入ったクラスメートたちが駆け寄ってきても、桜子が続けて何か話をしていても、なにも入ってこない。


聡樹と紗英の2人が心配そうにあたしを見ていたことだけ、覚えていたのだった。