宮葉さんとはクラスが違うくて、まだ安心した。
私は、特に目立つわけでもなくて、ごく普通の女子高生。
黒髪のショートに、前髪は眉毛の上あたりの“ぱっつん”だ。
そして、安心しきった私にまたもや地獄が起きた。
───それは昼食の時間
ガラっと教室の扉が開いた。
1人、お弁当を食べていた私が目に入ったのは
宮葉さんと、他2人が教室に入ってくるところ。
「……っ」
ドクン、ドクンと胸の鼓動を必死に隠しながら、視線を逸らしてお弁当を食べる。
大きな足音が止まったかと思うと、私の前には大きな影があった。
ハシを持つ手は止まり、震えていると
──バンっ
目の前にあったお弁当が一瞬にして消えた。
シーンとなる教室。
宮葉さんは
「ふっ」
とだけ言って去っていった。