私が寝ろと言われた部屋には
10人は余裕で眠れそうなほどおおきい
部屋だった。

こんなところで1人で寝ろなんて
馬鹿なんじゃないの?
もったいなさすぎるてしょ!


「はぁ…ちょっと外にでも行こうかな」


私は起き上がり、襖を開けて縁側に座る。
空を見上げると、都会では見られない
綺麗な星空が見えた。


こんなにきれいな星空を見たのは
何年ぶりだろうか…
小さい頃…両親と見た空に見てる。

あれ?そういえば、両親と来たのも
ここらへんだったような…
あまり覚えてないなぁ…


「おい」

「うわぁ!」


いきなり声をかけられて驚いた
私を見ていた男。
確か、伊月?だったかな?


「こんなところでなにしてる」

「いや…そ、空を見てただけですよ」

「空?…あんな物をみて楽しいのか」


なんて…冷たい目なんだろう。
この人は何もその瞳には
移していない。
綺麗な青色の瞳には絶望という闇だけ…


「そう、楽しいですよ?
貴方の青色の瞳のようですね」

「は?」

「貴方のその瞳の色…正確には
ラピスラズリって言うんですよ?
ラピスラズリの意味は「幸運を招く石」
ってことなんです」

「幸運?」


彼は空を見上げながら顔をゆがめた。
過去に何かあったのかなんて
一目瞭然でわかる。