うちの弟がモテすぎて困る。




暫くして降りてきた結月は髪の毛をセットして、スウェット以外の服を着て。

ちょっとだけ、ほんのちょっとだけカッコよく見えた。


志穂との待ち合わせまであと10分。

志穂を待たせることはしないと思うから、結月は全力で走るだろう。足は無駄に速いから余裕だよ。


「まあ、その……うん、頑張れ」

靴を履く結月を玄関で見送った。


こいつと志穂が本当にどうにかなっちゃったら、どうしよう。

志穂が私じゃなく結月目当てに遊びにくるの?絶対イヤ。そんなことになったら意地でもふたりの間に入ってやる!

結月は決意したように、くるりと振り向いた。



「その言葉そっくりそのまま返すよ。姉ちゃん」

「え、い、いま……」

バタンと閉められたドア。


アイツが今どんな顔をしてるのか、果たして涼しい顔をしてるのかどうなのか、それは分からないけど今はその背中を見送るだけ。

さて、私も頑張りますか!