「いい人じゃん。瀬川先輩。お前みたいなブタにはもったいないぐらい」
「そ、そんなこと言われなくても分かってるし!」
ってか私一応姉なのに、やっぱり扱いひどくない?
はあ、とため息をついて私は食卓の椅子のほうに座った。
「私の話はいいからさ、自分はどうなの?志穂、夏祭り行きたがってたよ。でも彼氏と別れたから行く予定もなくなったって」
「………」
「誘ってみれば」
OK貰えるか分からないし、結月と志穂をくっつけたいわけじゃない。
むしろ結月となんかと上手くいったら困るし、こいつに志穂は高嶺の花だし。下界から大人しく見上げてろって感じだけど。
でもずっと片思いを続けるぐらいなら、ちょっとはその高嶺の花に触れるチャンスぐらい与えてやってもいいと思う。
「なんでお前の言うこと聞かなきゃいけねーんだよ」
「怖いんだ」
「は?」
「言っとくけど、例えあんたが志穂に告白したとしても困らせるとかないからね?志穂はそんなこと思う子じゃないし……多分、素直に嬉しいって思ってくれると思うよ」
だって私がそうだもん。
先輩のこと意識してなかったし、異性として見たこともなかったけど、自分の知らない間に私のことを想ってくれてたんだとか。
勇気を出して誘ってくれたんだって思ったら、すごくすごく嬉しかったから。その気持ちから何かが芽生えることだって、きっとあるよ。



