少し逆上せながらお風呂から出て、冷たい水を一杯飲んだ。
今日はお母さんとお父さんの結婚記念日でふたりは久しぶりにデートに行った。
相変わらず結月はリビングのテレビを占領していて、早く出ろと言ったくせに自分はお風呂に入る気なし。
「あのさ、志穂彼氏と別れたよ」
勝手に言うのはどうかと思ったけど、志穂が彼氏とラブラブだと思ったまま過ごすのは可哀想かなって思って。
「ふーん」
せっかく教えてあげたのに結月は普通の反応。
「絶対すぐに男子から連絡先とか聞かれちゃうよ。どうすんの?」
「べつに」
「あんたがどうしてもって言うなら志穂に聞いて連絡先教えてあげようか?」
「上から目線うぜーから」
……まったく素直じゃないんだから。
どうせ内心は志穂が別れてよっしゃー!とか思ってるんでしょ?涼しい顔しちゃってさ。
「お前はどうなんだよ」
「なにが」
「瀬川先輩に夏祭り誘われたんだろ?」
「……!!」
え、なんで結月が知ってんの?
私志穂にしか話してないよ?え、え?
私が口をパクパクさせていると結月が横目でこっちを見た。
「谷口がバスケ部なんだよ。それで瀬川先輩の気持ちも知ってて。お前の姉ちゃんのこと好きらしいぜって、いつもうぜーぐらい言ってくんだよ」
「そ、そうなんだ……」
「瀬川先輩から俺のことどう思ってるか知ってる?って相談されたこともあったし。お前はいつも俺のラブレターがどうとかストレス溜まるとか文句言うけど俺も同じだからな?」
う、嘘でしょ?全然知らなかった……。



