私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。




「俺が……椿の恋を邪魔していいのか……?椿は、瑞希先輩の事が……」


一護の呟きが、背中越しに聞こえた。
それは、私が好きだと悟られないためについた嘘。


「瑞希先輩……」

瑞希先輩が何を考えているのか分からず、顔を上げると、想像とは反して、笑みを浮かべている。


そして、私の耳元に唇を寄せると……。


「一護は、きっと椿ちゃんを引き止めるよ」

「え……?」


瑞希先輩……まさか、わざとこんな事を言ったの?
嫌われ役をしてくれたのかもしれない。


だけど……。