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翌朝、私は誰かの温もりに、包まれながら目が覚めた。
最初に視界に入ってきたのは、茶色くクセのある髪。


なんとなく、それに手を伸ばそうとして、体が動かせない事に気づく。


私の体は、深く抱き込まれていた。
スンと鼻を効かせれば、石鹸の匂い。

閉じられた瞼から伸びるまつ毛が長いな…なんて、考える。


「一護……」

「ん……ぅ」


名前を呼べば、まるで返事をするように唸って、身じろぎをしだす。


「どうして、傍にいてくれたの……?」


眠っている一護が起きてしまわないように、呟く。


私の事なんて、ほっとけばいい。
紗枝の事だけ見ていたら良かったんだ。


「優しくされるのは……辛いよ……」


まだ朝早いからか、日は昇りきっていない。
囁かな太陽の光が、私たちを照らしている。