溺愛ENMA様

「イイ男はどこでもモテモテで困るぜ」

自分で言うな!

私は、あからさまに閻魔を気に入ったというような彼女達を見ながら口を開いた。

「どーせなら、あの子達にも文禄三年の話聞かせて上げたら?!更にモテモテになるかもよ」

「おー、それもいいかもな。せっかくだから、この世の女も味見しとくか」

端正な顔で私を見下ろした閻魔が、なんかめちゃくちゃイラつく。

「そーすれば?じゃあね!」

そうよ。

よく考えたら、閻魔に構ってる暇なんかない。

朱里の病院行かなきゃならないし、パパとママが来月末まで仕事の関係でいないから、買い物に行かなきゃならないし。

私はクルッと閻魔に背を向けると、彼をほったらかしたまま正門を目指して駆け出した。