私の言葉を聞いて、閻魔が不満そうに瞳を光らせた。

「言っとくが、俺の母上は人間だぞ?それくらい朝飯前だ」

……怪しい。凄く怪しい。

けれど、少し拗ねたような閻魔が可愛くて、私は手を伸ばすと彼の頬を包み込んだ。

「……閻魔……」

「ん?」

黒に近い紫の瞳が、凄く優しい。

この瞳を、私は傍でいつまでも見ながら生きていきたい。

私は閻魔の頬から手を離すと、彼の両手をそっと握った。

「閻魔、来てくれてありがと」

私の言葉に閻魔のつり上がり気味の眼が、みるみる丸く変わった。

それから戸惑ったように私から視線をそらすと、小さく咳払いをした。

「お、おう。っ……!」

こんな風に照れた顔も見ていたい、ずっと。

嬉しくて嬉しくて、両腕を投げ出すように閻魔の首に絡めると、私はその愛しい唇にキスをした。