溺愛ENMA様

眼を見張る私の前で、お爺ちゃんがニンマリと笑った。

「ワシはな、もうこの娘から銭を受け取ったんじゃ。つまりは、もうワシの客じゃ」

「何だとこのジジイ!ブッタ斬るぞ」

外道衆が腰の屶を抜き放ち、構えようとしたとき、お爺ちゃんが短く何か囁いた。

「うわあっ!」

今度はその屶が、見えない何かに弾き飛ばされた。

「い、痛ぇ!」

屶を取り上げられた外道衆達が、悲鳴をあげて顔を歪める。

まるで、誰かに腕を捻り上げられているみたいだ。

……今だわ。

「お爺ちゃん、行くわよ!」