溺愛ENMA様

閻魔の逞しい腕も分厚い胸も、綺麗な首から肩にかけてのラインも、何もかもが私に密着していた。

「ルナ」

低くて艶やかな閻魔の声が耳に響いて、首筋に甘い息がかかる。

いくらもがいても、閻魔はビクともしなかった。

「閻魔……もしかして、酔っぱらってるの?」

「酒なんか飲んでない」

「じゃあ、あの」

「ルナ」

閻魔が少し身を離して私の顔を覗き込んだ。

迫った眉の下の、黒に近い紫の瞳が切な気に瞬いて、彼は再び口を開いた。

「ルナ……アスモデウスを倒した褒美が欲しい」