溺愛ENMA様

閻魔は、私の問いがまるで聞こえていないみたいに黙り込んでいる。

「ねえ、閻魔。教えてよ」

「お前」

「私がなに?」

「お前が好きだ」

急に、周りの音が聞こえなくなった。

テレビの音も、窓の外の音も。

……今、何て言った?

驚いて見つめた閻魔の顔は、私をまっすぐに見ていた。

「閻魔、真面目に答えてよ。じゃないと、」

「俺は真面目に言ってる」

次第に脈打つ心臓が痛いくらいで、耐えられそうにない。

「閻魔。私今、真剣に聞いてるんだよ?」