溺愛ENMA様

……なに、この態度。

……もしかして、閻魔って……。

閻魔は……蘭さんをもう好きじゃないのかも知れない。

ロイの一件から何日も経つのに、一向に死者の国に帰らないのは、もしかして……。

新しく好きな人がいるんじゃ……桜ちゃんとか。

聞くなら、今がチャンスかも。

私は深呼吸をすると、閻魔を見上げて口を開いた。

「……閻魔。話があるの」

「……なんだよ」

「閻魔ってさ、もしかしてもう蘭さんを好きじゃないの?」

閻魔は私を見下ろしたまま、唇を引き結んだ。

「もしかして、人間界に好きな人でも出来たの?」