溺愛ENMA様

ひ、ひるげって……ビュッフェだけどな!

「……まあ、そーだけど。桜ちゃんも来るみたいだし、行こうよ」

私がそう言うと、閻魔はジッと私を見た。

「桜が来るからなんだ」

「……別に」

「高木海人も来るらしいぞ」

えっ?

……そうなの?

高木君とは、あの渡り廊下での告白の後、一度も会っていなかった。

あの時、私が閻魔にさらわれてしまったお詫びのLINEをして、少しやり取りしただけだった。

そうか、高木君も来るんだ……。

閻魔の、私を見る眼が心持ち鋭いような気がして、私は出来るだけ平静を装いながら言った。