溺愛ENMA様

心臓に氷を押し当てられたようにヒヤリとした。

桜ちゃんが閻魔を気に入ってるのは知ってる。

だけど、こんなに真剣だとは知らなかった。

「最初はね、ただの憧れだったの。顔やスタイルが最高だから、芸能人見てる感覚で。
でも同性からも好かれてるし、あの心底楽しそうに笑う顔や、自信に溢れた態度や、なんでも器用にこなすところも、何もかもが私の心から離れないの」

桜ちゃん……。

「でも円真君って凄く人気じゃん?一年からも二年からも告白されてたし」

…………。

私が何も言えないでいると、桜ちゃんは少し涙ぐんだ。

「私、涼馬に聞いたの。円真君、告白されてもずっと断ってるんだって」