溺愛ENMA様

そのロイも先日、留学期間を終えてアメリカに帰国した。

私は大きく息をした後、桜ちゃんに言った。

「桜ちゃんありがとう。もう私ロイに何の未練もない。それより頼み事って?私に出来ることは何だってするよ」

私が笑うと、桜ちゃんはホッとしたように一瞬眼を閉じた。

「……良かった!ルナが立ち直って」

「桜ちゃん達のお陰だよ。で、桜ちゃんはどうしたの?」

私の問いに、桜ちゃんがコクンと喉を鳴らした。

「……円真君の事なの」

「……閻魔?」

桜ちゃんが眉を寄せて私を見つめた。

「ルナ、私どうやら本気で円真君を好きみたいなんだ」