「あんたの事、手のかかる妹か何かと勘違いしてんじゃないの?」

「そうかもね。めいわくー」

私は亜子ちゃんに、プッと頬を膨らませて見せた。

きっと閻魔はこう思ってるにちがいない。

自分から私を守ると言った手前、放り出すことも出来ない。

かといって私だけが恋愛にうつつを抜かし、自分は大好きな蘭さんに会えないのがシャクに障るんだわ。

そりゃあ、私だけズルいかもだけど。

そんな私の気持ちにまるで気づいていない亜子ちゃんは、物憂げな眼差しで遠くを見つめた。

「好きになった相手と、思いきりの恋愛って、憧れるわあ」

「うん」

私にもそんな人がいつか現れるのだろうか。

「高木君に、謝りのLINEいれなきゃ」

「そだね。直接だと重いしね」

私は子供みたいにはしゃぐ閻魔達男子から眼をそらすと、スマホを取り出した。