なんなんだ、コイツは。

私を抱き上げたまま渡り廊下を闊歩する閻魔が意味不明で、どっと疲れた。

閻魔は開け放たれたままの扉から校舎に入ると、すぐ左の階段をかけ降りた。

「早く下ろしてっ!」

「分かった分かった!あー重」

なんだとっ!?

階段の踊り場に下ろされた私は、閻魔を壁際に追いやり、彼の胸をボカッと殴った。

「重くて悪かったな!誰も抱っこなんか頼んでないわ!しかも、なに!なんで来た?!私、高木海人に告白され中だったんだよ?!」

怒りのあまり私が叫ぶと、閻魔は唇を引き結んだ。

「…………」

「答えろっ!」