放課後の図書室の片隅で本を読んでいた。 誰もいないから地べたに座り込んでページを捲る。 先輩を待っていた時もこんなふうに本を読んでいたっけ、そんなことを考えている自分に呆れた。 なんで思い出してるの? なんで忘れられないの? 先輩と関わらないことはそんなに難しいことじゃなかったはずだ。 追いかけては消えて行くほんの一握りの先輩との思い出を、馬鹿みたいに忘れられないでいる。