不機嫌なキスしか知らない




「紘、」



キスの合間に名前を呼んだら、とびきり優しい瞳が私を見つめていた。

胸が痛いくらいキュンとして、思わず目を逸らす。



「紗和、こっち見て」



一度唇を離した紘に、そっと目を合わせられる。




「俺も好き」




とびきり甘い声が、私を熱くさせる。




「う、嘘、」

「本当」

「だって麗奈先輩は……」

「もうとっくに紗和しか見えてない」

「っ……」