不機嫌なキスしか知らない



私も圭太も、カチャカチャとコントローラーを動かしながら、沈黙する。




「……あった、かも、しれない」



あったかもしれない。
何もなかったかもしれない。


よくわからないけど紘はもう、私に興味ないんだと思う。

私と紘の「遊び」は、終わったんだ。




じわり、と目に浮かぶ涙。
それを見て心底驚いた顔をした圭太が、慌ててコントローラーを置いた。


そのせいで2人ともゲームオーバーになってしまって、私もコントローラーを置く。





「……私、紘のこと、好きになっちゃったみたい」





震えた声。溢れた涙。

圭太はそれを黙ったまま受け止めてくれる。