・
・
・
その日から紘は、私を見なくなった。
「じゃあ次の問題を、隣の人とペアで答え合わせしてください」
数学の授業中、先生に言われてちらりと隣を見る。
「……先生、体調悪いんで保健室行ってきます」
「あら藍沢くん、大丈夫?」
「はい」
ガタン、と席を立って保健室に行ってしまった紘。
私は1人残されて、唇を噛む。
……そこまで露骨に、避けなくたっていいのに。
一瞬そう思ったけれど、私もついこの前まで紘に同じことをしていたんだ。
話しかけられそうになれば席を立ったり、聞こえてた言葉を聞こえなかったふりしたり。
こんなに苦しいなんて、思ってなかったから……。



