『遊んでる』

その言葉に、少し心に雲がかかる。
その通り、なんだけれど。



「紘は私としか遊ばないと思ってたのになぁ」


余裕たっぷりの表情で私を見つめる麗奈先輩に、ゆるゆると視線を足元に落とす。


この人が、紘を苦しめた人で。
この人が、泣いちゃうほど紘に好かれてる人だ。



「まあ、私も紘のことは遊びだからいいんだけど。
ねえ、紘の触り方って優しいよね」


その言葉に、ぎゅっと心臓が掴まれたみたいに痛くなる。



「……」

「あと、腰にあるホクロが可愛いよね」


「っ……」



その言葉だけで、紘と麗奈先輩がどんな仲だったのか、リアルに分かってしまって。

そうだろうとは思っていたけど、でも。