「泣きたくなっちゃった?」 意地悪な顔、ずるい質問。 「……紘の、せいだよ」 「ふーん、俺のせいなんだ」 少しだけ嬉しそうなその瞳が、私を捕まえて離さない。 ゆっくり近付いた唇が、触れ合う。 一度触れて、すぐに離れて。 私の目を見て、もう一度触れる。 何度も繰り返すうちに深くなるそれは、私の呼吸を奪っていく。