「──っ、紘!」






思わず叫んだ声が、廊下に響く。

紘が驚いた顔をして、こっちを見た。




私は俯いたまま、ゆっくり2人に近付いて。

紘の目の前で顔を上げる。



紘のダークブランの瞳に、私だけが映ってる。

それがたまらなく嬉しい。




「……泣きたく、なった」





そう呟いたら、紘は優しく目を細めた。