不機嫌なキスしか知らない




一瞬、私の後ろを見ていた紘。



『早く目、閉じろよ』

──いつもはそんなこと言わないのに、早く目を閉じさせた紘。


ねえ、それって。
ねえ、私の自惚れかな。





──私の後ろを通った圭太と菫ちゃんを、私に見せないようにしてくれてたの?


私がふたりの姿を見るの、辛いと思ったから?