不機嫌なキスしか知らない




「嫌なことでもあった?」



どうして、わかるんだろう。


私たち、付き合ってるわけでもないのに。
お互いのこと、好きなわけでもないのに。



なのにどうしてこの人は、私の好きな人すら気付かなかった私の変化に気付けてしまうんだろう。





「……圭太、が」

「うん」



布団にくるまったまま話始める私を、いつも通りの感情の読めない表情で、だけど優しく頷きながら聞いてくれる。




「体育祭で菫ちゃんに告白する、って」

「え……」


私が震える声でそう言ったら、さすがの紘も驚いた顔をして、他のところを見ていた視線を私に向けた。