不機嫌なキスしか知らない



……だから圭太と別れて教室の自分の席に座った瞬間、どっと疲れが出てしまったみたいだ。


はぁ、とため息をついて机に突っ伏す。お腹も痛いし、胸も苦しい。全部圭太のせいだ。

理不尽な怒りを圭太に抱きながらも、ゆるゆると体を起こして1時間目の教科書を準備した。




もう今すぐに保健室に行って寝てしまいたいけれど、今来たばかりだからそういうわけにもいかない。

もうすぐ授業も始まるし、1時間目くらいは頑張ろう。




「よー、紗和」



ホームルームの始まる数秒前。ドサッと隣の机に置かれたバッグと、気だるげな挨拶。