不機嫌なキスしか知らない



……しかも今日は朝から体調が悪い。


頭が痛くてくらくらするし、女の子の日だからお腹もいたい。

毎月こんなに辛いわけじゃないから、きっと圭太のショックも原因のひとつなのだろう。



……だけど楽しそうに菫ちゃんの話をする圭太に心配はかけたくない。



「妹尾さん、走るの苦手だから体育祭あんまり楽しみじゃないって言ってたんだけどさ」

「うん」

「俺がリレー出ることになって楽しみになったって言ってくれて、すげえ可愛かった……」

「それもう圭太のこと好きじゃん」

「期待していいかな?」



自分の気持ちがバレてしまわないように、無理して明るく振舞って笑う。

本当はお腹が痛くて歩くのも少し辛かったけれど、なんとか学校にたどり着いた。