不機嫌なキスしか知らない







「はぁ……」


……最悪だ。次の日の朝、怠い体を起こして制服に着替える。

ベッドの上でぼーっとしていると、1階のリビングからお母さんの声が聞こえた。



「紗和ー、圭太くん来てるわよ。早く行きなさい!」

「はーい」



やる気のない返事をして、ゆるゆると支度を終わらせて部屋を出る。

圭太は今日も迎えに来てくれて、それは本当に嬉しかったんだけれど、体育祭の次の日からはこれも終わりなのかな、と思ったら苦しくて。


『俺、告白しようかな』


昨日の圭太の言葉を思い出すたびに、胸が重くなる。