電柱に置かれた花束を見て、僕は人目を気にせず崩れ落ちる。 嗚咽交じりに、涙がこぼれる。 無理、だったのかな。 僕に運命を変えるなんて。 運命はやっぱり、変えられないのかな。 「水樹じゃん!水樹!」 ポンッと背中を叩かれ振り向くと、大学の友人が立っていた。 「太田…」 「お、お前何で泣いているんだよ!」 「…悪いか、泣いて」 「…そういえば、今日だったよな」 太田は花束を見ながら息を吐いた。