俺は話しかけることが出来なかった。 なぜならば彼女は楽しそうに男と話していたからである。 なんの下心も無しに話しているとは思う。 しかし何故かその光景が気に食わない。 話し終えた沙里がこちらに気づく。 「あ、弘也。 …おはよ!」 「…ん。…はよ…」 自分でも気づけないくらい、テンションが低い声に驚く。