何を、考えてるの。
私が内通者?
「そのためにはその証拠を作らねぇとなぁ?お前ら、ヤレ」
それが合図かのように隠れていた手下が六人ほど出てきた。
「本当にヤッていいんすよね?」
「あぁ、立ち直れないくらいズタズタにしてやれ」
その言葉で私は全てを悟った。
ヤられる。
瞬時に私の頭が警鐘を鳴らす。
一人の男が私の腕を掴み、服の中へと手を入れる。
「やめっ、てっ……!!汚い手で触るなっ……!!!」
「女の力で男に勝てると思ってんのかよ?」
どれだけジタバタ暴れても女が男にかなうわけない。
それでも私は暴れることをやめない。
「チッ…手こずらせやがって…。おい!アレ持ってこい!」
そして次の瞬間、太ももに痛みが走った。
「なに、それ」
太ももには小さな注射器が刺さっていた。
透明の液体がどんどん体に入ってくる。
「ちょーっと大人しくなるクスリ。大丈夫、すぐ気持ちよくなるからよ」
ニタリと気持ちの悪い笑みを浮かべる。
鳥肌が立つような、そんな笑み。
数分もしない内に私の体は言う事を聞かなくなった。
手に…力が入らない……!!
呂律も回らず、抵抗したくても動けない。
頭の中もぼやーっとする。

