そういうと、組長さんは大声で笑った。
「数回関係を持ったら、妊娠したとか言って金を要求されたっけなぁ。DNA鑑定もして、親子だと証明されている。何ならその証明書、見るか?」
「…結構です」
「それは残念だ」
「もう1つ質問してもよろしいですか」
「何だ?」
「なぜ、私が18になったら引き取るという契約を交わしたんですか。何が目的なんですか」
そう尋ねると、嘲笑うような表情でこう告げた。
「自分の娘…つまりは所有物を手元に置きたい以外あるのか?」
所有、物…?
人のことを所有物だと。
そんな事のために私は…!!
「しかし、ただ引き取っても面白くない。第一、逃げられでもしたら困るだろう?だから、お前は綾牙と結婚させ、この家に縛り付けることにした」
そう言ってまた大声で笑う。
どこまで腐ってんのよ…!?
私が…どんな思いで…!!
「…ざけないで」
「あぁ?」
「ふざけないで、と言ったのよ!!そんな事のために尊は生死をさまよったの!?あんたイカれてる…腐ってるわよ!!!」
「小娘!!組長に対しての口の利き方を教えてやる!!」
すぐ横に居た組員さんが腕を振り上げた。
とっさにお腹を手で守る体勢をとる。
「やめろ!テメェ、俺の婚約者に傷付けるつもりか?あぁ?」
そう言って手をあげようとした組員さんを睨む綾牙さん。
すいやせん…と元いた場所に座り直す。
「娘…もしやお前、身ごもっているな?」