本当に私、尊と出会った頃から比べて180°変わったな。

あんなに他人に興味がなくて、愛も未来も全て捨ててたあの頃。

でも今は、こんなにも人に恵まれていて。

たくさんの揺るぎない愛情を尊から貰って。

でも神様は意地悪ね?

与えるだけ与えて、その全てを奪ってしまうんだもの。

「ん?どうした、そんなに見つめて」

「…ううん、何でもないよ。それより体は?大丈夫?」

「まだ撃たれた所は痛むが、その内良くなるだろ。明日には仕事復帰だな」

「あんまり無理しちゃダメよ?私も、この子も心配になるから」

「ふっ、腹のガキに心配されてちゃ世話ねぇな」

2人で笑って、色んな話をした。

組員の人の話、司さんの話や椿さんの話。

蒼聖さんや楽、雪乃の話。

今だけは、この幸せが、時間が一生続くように願った。

でも、願えば願うほど時間は早く過ぎて。

いつの間にか、タイムリミットに近づく。

「はー、笑った笑った!」

「お前の笑顔見てるだけでこんなに幸せな気持ちになれるとは思わなかった」

「…ふふ、私も。私もね、尊の笑顔にはたくさん力と勇気貰ってるの」

そういって私は尊の顔を見つめる。