「…ありがと。私も雪乃が大切だよ」
「えへへ、照れるからやめてよ〜!」
頬をほんのり染めて顔をぷいっとそらす。
「ほら、買い物するよ!ここのね、お店ね〜ずーっと行きたくてね?」
この笑顔がたとえ崩れたとしても、私はもう充分だ。
今ある時間を噛み締めよう。
中に入ると、きらびやかな光景が広がっていた。
そこはここら辺でも結構大きな人気のショッピングモール。
いろんな種類の洋服やアクセサリーが並んでいる。
「きゃーーーっ!!みてみて、なーつん!いっぱいあるよ!!」
「そうね。時間もあるし、ゆっくり回ろっか?」
「うんっ!!」
色んなお店を回って、お腹も空いたね、ってことでフードコートへと向かう。
雪乃は隣で何を食べるかパンフレットとにらめっこ。
「ハンバーグもいいし、オムライスもいいなぁ…ねぇ、なーつんどうしよう!?」
「じゃあ、雪乃がハンバーグで私がオムライスでどう?私も食べたかったし、半分こ」
「いいの!?なーつんありがと!」
「いえいえ」
「何だかなーつん、お姉ちゃんみたい」
ボソッと呟く雪乃。
聞き間違いかと思って聞き返す。
「何か言った?」
「あ、ううん!優しいな〜って!ほら、注文してこよう!」
笑顔でとりつくる雪乃。
でも私は見逃さなかったよ。
雪乃の瞳に哀しみの色が見えたの。

