「でも陽さん、そんな事までいいんですか?スーパーっていってもすぐ近くですよ?」
「いや、若から外出する際は送り迎えをしろ、とのいいつけなんです!だから問題なしです!」
「なら…お言葉に甘えてもいいですか?断ったりしたら陽さん達も怒られそうですし」
ふふ、と笑うとそれは勘弁ですよ!と青い顔でふるふる震えるもんだから、皆さんのためにも陽さんに送り迎えをお願いすることにした。
たかがスーパーくらいで送迎して貰うのはなんだか気が引けるけれど。
とりあえずスーパーに到着し、何にしようか迷いながら献立を決めて買い物を終えた。
買い物の間も私の前を歩いてくれて、こんな場所でも護衛をこなす陽さん。
視線がとてつもなくイタかったのは黙っておこう。
車に乗り込み、お礼をいう。
「わざわざありがとうございました。尊のいいつけとはいえ、買い物なんかに付き合わせちゃって」
「いえいえ!若の体を気遣ってメニュー考えてることも知れましたし、愛されているんだと羨ましくなりました!」
「い、いや…照れるのでやめて下さい」
ふふ、と優しく笑う陽さんにつられて私も笑みをこぼす。
私ってそんなにベタ惚れ全開なのかしら?
もしそうだとしたら結構恥ずかしいんだけど。
その後すぐにマンションに到着し、部屋に戻ってすぐに調理に取りかかる。
実は今日のメニューは豚のしょうが焼き。

