ギター王子とピアノ姫




「で……でもさぁ!少しくらい良くない?」


「そーだよー!だって千葉さん
笑大君とユニット組んでるんだし!」


「それに!私たち
千葉さんの友達でしょ?♡」


「……は?」



……ホントにブチ切れたい。



正式なサイン会とか、笑大君が自ら
サインを許してくれた場合ならいいけど


そうじゃないのにサインもらってくる
わけにはいかないんだよ。



笑大君のサインが欲しい人
絶対たくさん居るよ?


でも、身勝手な理由で笑大君から
個人的にサインもらってしまったら


『じゃあ私も!』って
たくさんの人が笑大君に押しかける。



結局、笑大君を困らせるんだよ。



(何でファンがそれを理解しないかな)



大体私は……



(……あなたたちの友達になった
覚え……ありませんので)



ガラララッ!



「お前ら~!ホームルーム始めっぞー!」


「あーもー!担任来ちゃったー」


「サイン欲しい〜」



ばらばらと席に着くクラスメイトたち。


私も疲れを感じながら席に着いた。



(私……芸能界でも学校でも大丈夫かな……)



不安はいつも


私の周りにやって来る。