「ここじゃなきゃダメなんだろ。お前にとって譲れない場所は、ここだろ?」
「……っ、」
容易く誤魔化すことが出来ない椎名くんの瞳。
「ここに来た時のお前は、いつも一番に窓の向こうが気になってるみたいだけど?」
「……、」
椎名くんが背中を見せる窓の向こう。
耳を澄ませば遠くに響くボールの音。
あちこちの扉が開け放たれた体育館。
キュッ、キュッ、と響くシューズの擦れる音。
「……告白したいヤツがそこにいるんだろ」
決定的な言葉に胸が苦しくなった。
私はいつも眺めていたその場所からも、椎名くんの言葉からも逃げるように足元へと視線を落とす他なくて。



