沈黙したまま正木さんの後ろを歩くと、その綺麗な紅茶色をしたロングへアがさらさらと揺れた。
正木さんは、人気のないエントランスで足を止めると振り返る。
「……で?どうなの?」
「っ、どう?と……いうのは、」
「だから、昨日のことよ!」
おでこをハッキリと出すように分けられた前髪から見える、ほんのりメイクを施した目は、少し睨むかのように私を見つめた。
……昨日のこと。
それって、椎名くんのこと、だよね?
もしかして、正木さんもやっぱりクール王子と呼ばれる椎名くんのことが好きなのかな……。
でも、まさか私の告白やら恋愛の練習相手になってもらうことになりました、なんて……言えないし。



