「椎名くん、私……」


「……だから、お前なぁ」


「え……っ、」


「後ろ姿に向かって言うなって、今言ったばかりだろ……」


「あ……、」



くるりと振り向いて溜め息をついた椎名くんだけど、私を見て、優しく笑ってくれた。


そして、椎名くんはそんな私にコツン、とおでこを合わせてくる。



「もう一回、聞かせて?」


「なっ……、」


「名前で呼んでくれないわけ?」


  
甘く囁いた椎名くんは私の言葉を待っている。


いつだって、私の声を聞いてくれる。


だから、これからは、どんな言葉でも伝えていくよ。



「ーーー楓くんが、好きです」



きっと、諦めないで言葉にして伝えたら、


どんな時も、伝えたい言葉は、届くんだよね。


だから、この先も、


私の想いを、クールなきみに告白します。





*fin*