「告白は顔を見てするもんなんだろ?」
「……っ、」
まるで、全てを見透かした瞳に吸い込まれそう。
椎名くんの少し意地悪な口調に私は意を決したように手のひらを握った。
だから……と。
もう一度、私が口にしようとしたその時。
「好きだよ、公花ーーー」
耳元に、口づけをするように囁いた。
“公花”……。
同時に、私の頬を包んだその温かい手に、涙は自然と頬を流れていく。
こんな、夢みたいなことがあるのかな。
「私が、自分から……こ、告白しようとしたのに……」
胸を焦がす言葉に、ただただ椎名くんを見つめる瞳が滲んでいく。



